AdtyCow,blog

牛好きな曽根雅弘のブログ。ほとんど牛のおはなしです。

飼料

12時間でのNDF消化率②

adty.hatenadiary.com ↑↑NDSでは粗飼料のNDFD12時間を入れることによりMEやMPに影響するみたいだが、DairylandlabのHPを見てみると、中・低品質アルファルファ(>42NDF)や牧草、トウモロコシサイレージではNDFD12 時間から得るものはほとんどないと書かれてい…

12時間でのNDF消化率①

CVAS分析センターでは、NIRのオプションで30h120h240hでのNDF消化率に加えて12h消化率も分析出来るようになっているみたいですが、今回のNDSバージョンで12h消化率が加わったようです。 12hの値を加えるとpdNDFプール全体の分解速度(Kd)の値がより正確に計算…

水分③

↓↓NDSの環境設定(気温・湿度)を下の表のように変更して水のサブモデルがどのように変化するのか見てみました。体重720kg・乳量38kg A B C D E F 気温(℃) 0 10 20 25 30 35 湿度(%) 60 60 60 60 60 70 夜の気温(℃) 0 10 15 20 25 30 Water intake(水の摂取)…

水分②

NDS 水のサブモデル 基本的にNRC2001の計算式を用いているらしい Water intake(水の摂取) Drinking Water Intake (FWI)(飲水量)+Ration Water Intake (RWI)(飼料の水分)+Metabolic Water (MWI)(栄養成分の代謝酸化によって生成される水分)=Total W…

水分①

乳牛にとって最も重要な栄養素は水!!---乳牛は56-81%は水でできている 水の役割 養分や他の成分が細胞へ出入りするための輸送 栄養素の消化や代謝 老廃物(尿や糞、呼吸)や過剰な熱(発汗)の体外への排出 体内の体液やイオンバランスの適切な維持 発育する胎子…

マイコトキシン③

図1、のようにNDSでは粗飼料や穀物のマイコトキシンを分析したら結果を入れとけます。こんなにマイコトキシンに汚染されていたらたまったものではありませんが今回は適当に数値を入れてみました。(コーンS乾物32%で現物25K給与、ラップS乾物81.5%で現物3K給…

マイコトキシン②

図1と図2はAlltech社が北海道で2012年~2016年にかけてサイレージ中に含まれるマイコトキシンを分析したデータです。 図1はコーンSでサンプル数は62検体です。マイコトキシンが全く検出さてなかった検体は全体の僅か14.52%でしかなく平均で6.1種類のマイコト…

マイコトキシン①

マイコトキシン(カビ毒)とは、カビ(真菌)からの代謝産物のことで約300種類以上存在するらしい。図1では代表的なカビの種類とカビから産生される毒素(マイコトキシン)を示した。 図1、カビとマイコトキシン カビは10-40℃の温度域と4-8pHの環境を好み増殖する…

WSCとESC

糖というのは一般的に単糖類・少糖類(オリゴ糖)を指しますが飼料中の糖はWSCとESCの二つの方法が用いられています(CNCPSでいうCHO A4)。 WSC(水溶性炭水化物)=単糖類、二糖類、オリゴ糖類、フルクタン ESC(エタノール可溶性炭水化物)=単糖類、二糖類、オリゴ…

発酵性炭水化物④

今度は、TMRAとBでルーメン㏗が5.8以下になる時間を比較してみました。図1と図2はNDSで一日の内ルーメン㏗5.8以下になる時間を予測したものです。 図1、AのTMR。4.74時間 図2、BのTMR。5.20時間 ルーメン㏗5.8以下になる予測時間は、PeNDFやルーメン発酵性デ…

発酵性炭水化物③

前回AとB二つのTMRを作りました。Corn Ground Steam Rolled 34 ldの7時間培養でのデンプン消化率だけを変えたTMRですね。Aが46(%Starch)Bが67(%Starch)の圧ペントウモロコシをそれぞれ使用したのですが今回は、AのTMRとBのTMRでTTSD(総消化管デンプン消化率)…

発酵性炭水化物②

ルーメンでの発酵スピードは穀物によって違います。小麦→大麦→エンバク→トウモロコシ→ソルガムの順で発酵スピードが遅くなります。また、同じトウモロコシでも蒸気圧ペン・粉砕コーンなど加工方法によっても違ってきます。さらに粉砕コーンにもFine(微粉砕)~…

発酵性炭水化物①

炭水化物とくにデンプンはルーメンでの発酵性が重要かも!ってことは分かってきた感じがしますがでは実際に設計するにはどの程度が良いの?というガイドラインが必要ですね。今日はそれです。 図1で示した表は、WCDS Advances in Dairy Technology 2011での…

とうもろこし⑤

トウモロコシの種類 Dent(デントコーン):軟質デンプンは内層にあり(頂部は露出している)硬質デンプンは外層にある。主に飼料用 Flint(フリントコーン):軟質デンプンは内装にあり(外部に露出しない)硬質デンプンは外層にある(デントコーンの圧ペンよりルーメ…

とうもろこし④

ルーメンでのデンプン消化率が悪いと下部消化管に流入するデンプンが増えるので大腸性アシドーシスの危険性が増えたり、腸で分解されたデンプンのほとんどがPDV(門脈に流入する血管が走る内臓)で脂肪組織に使われるためエネルギー効率が悪くなる。 [デンプン…

とうもろこし③

トウモロコシの成熟度の変化で消化率がなぜ変わるのかを調べてみました。 図1~図3に示したグラフは、J Dairy Sci85(11),2002に掲載された論文から引用しています。この論文では、⽶国産デントコーン14種類(ハーフミルクライン(黄熟期)、ブラックレイヤー(完…

とうもろこし②

トウモロコシ種子の胚乳は、柔らかい粉状胚乳とガラス化した硬い角質胚乳の二種類あるらしい。 Floury endosperm=柔らかい粉状胚乳:デントコーンの場合、粉状胚乳と角質胚乳は同程度の割合で存在する。 Vitreous endosperm=ガラス化した硬い角質胚乳:粉状…

とうもろこし①

トウモロコシの種子は主に、果皮・胚芽と胚乳の3つで構成されており胚乳にデンプンが多く含まれています。 胚乳のデンプンはタンパク質によってカプセル状に覆われていて、トウモロコシ胚乳のタンパク質はアルブミン・グロブリン・グルテリン・プロラミンの…