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牛好きな曽根雅弘のブログ。ほとんど牛のおはなしです。

手作りの哺育牛舎⑤

換気と保温の両立について

子牛の敵温域は13-25度なので気温が10度以下だと寒冷ストレスを受けてしまいます。なのでチョッキ着せてヒーターいれて扉を閉めて!としてしまうわけです。でもそうすると空気がよどんで空気中の細菌数が増えてしまいます。なので保温を怠っても換気を怠っても子牛の呼吸器病へ繋がってしまうという事だと思います。

 

換気と保温を両立させる手段の一つとしての陽圧換気ということですね(最近ではプロペラのようなシーリングファンを使ったり哺育舎の上部から換気扇で外へ向けて空気を出すなど陽圧換気とは異なった換気方法もあるようです)。

 

図1は、空気中の細菌数(横軸)が増加することによって呼吸器病の発生率(縦軸)が増加することを表しています。また、敷料のふかふか度合い(保温性)を三段階に分け同じ空気中の細菌数であれば保温性が上がるほど呼吸器病の発生率が下がっていることを示しています。→つまり今回の手作りの哺育牛舎は換気は問題ないが防寒対策が必要という事になりますね。

図1

 ※敷料のふかふかスコア1:子牛が横たわると足が敷料の上に見える2:足が部分的に見える3:見えない(つまり1→3と保温性が高まる)

f:id:kuinige777-8286:20190330212745p:plain保温性高い(スコア3)+子牛どうしの仕切りありf:id:kuinige777-8286:20190330212936p:plain保温性高い(スコア3)+仕切り無しf:id:kuinige777-8286:20190330213038p:plain保温性中(スコア2)+仕切りありf:id:kuinige777-8286:20190330213149p:plain保温性中(スコア2)+仕切り無しf:id:kuinige777-8286:20190330213259p:plain保温性小(スコア1)+仕切りありf:id:kuinige777-8286:20190330213348p:plain保温性小(スコア1)+仕切り無し

 

https://www.journalofdairyscience.org/article/S0022-0302(06)72445-6/fulltext