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牛好きな曽根雅弘のブログ。ほとんど牛のおはなしです。

搾乳ロボット牛舎での初産牛と2産以上で乳量とAMS訪問回数を比較

 

搾乳ロボット牛舎での初産牛と2産以上で乳量とAMS訪問回数を比較した研究を紹介します。

材料・方法

ミネソタ州とウェスコンシン州のAMSを使用している40農場(毎日2858514頭記録)の内、フリーフロー31農場(30Lely:1Delaval)とガイドフロー9農場(全てDelaval)で、それぞれ乳量とAMS訪問回数を調査・比較した。

期間:2013年半ば~2014年終わり

結果

乳量

フリーフロー→初産牛乳量は分娩後日数238日まで経産牛より少ない、分娩後日数239日以降は、経産牛より多い。

ガイドフロー→乳期通して初産牛乳量は経産牛より少ない。

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訪問回数

フリーフロー→初産牛は分娩後日数178日まで経産牛より少ない、分娩後日数178日-208日まで同じくらいでそれ以降は経産牛より多い。

ガイドフロー→初産牛は分娩後日数58日まで経産牛より少ない、分娩後日数59日-208日まで初産牛の方が多く、それ以降は同じ。

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 提案

  1. 初産牛の訓練
  2. 給餌法の工夫
  3. AMS許可設定の工夫

 

出典:J.M.Siewert, et al. : Milk yield and milking station visits of primiparous versus multiparous cows on automatic milking system farms in the Upper Midwest United States, J. Dariry Sci, 102, 3523-3530 (2019)

搾乳ロボットの蹄病状況

搾乳ロボットとてい蹄病に関しては以前の記事に書きました↓↓

 

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ある搾乳ロボット農場(AMS2台、経産牛170頭)の削蹄時蹄病状況(7/12/19~7/11/20)↓↓

 

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搾乳ロボット牛舎の削蹄時蹄病状況(7/12/19~7/11/20)

 

蹄病だけ抜き出してみた↓↓

 

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削蹄時蹄病状況で蹄病のみ抜き出してみた(7/12/19~7/11/20)

 

分娩後日数ごとに並べてみた↓↓

 

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蹄病のみを抜き出して分娩後日数に並べ替え(7/12/19~7/11/20)

 

削蹄とは別に蹄病治療を行った牛(7/12/19~7/11/20)↓↓

 

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削蹄とは別に蹄病治療を行った牛(7/12/19~7/11/20)

 

蹄病治療を行った牛を分娩後日数で並べ替え(7/12/19~7/11/20)↓↓

 

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蹄病治療を行った牛を分娩後日数に並べ替え(7/12/19~7/11/20)

 

 

12時間でのNDF消化率②

 

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↑↑NDSでは粗飼料のNDFD12時間を入れることによりMEやMPに影響するみたいだが、DairylandlabのHPを見てみると、中・低品質アルファルファ(>42NDF)や牧草、トウモロコシサイレージではNDFD12 時間から得るものはほとんどないと書かれていた。では何に使うかというと、高品質の牧草やアルファルファを見分けるためらしい。 例えば、高品質アルファルファ(<32NDF)に含まれる消化可能なNDFの90%以上が30時間前に急速に消化されているのでNDFD12時間を用いて評価するという事らしい↓↓

 

https://www.dairylandlabs.com/media-library/articles/1572457686.pdf

 

個人的には、デンプン粕の12h値を調べてみたいですね↓↓

https://www.dairylandlabs.com/media-library/articles/1572457788.pdf

産次数とBrix%

一般的には、IgG濃度は産次が進むにつれて高くなる傾向にあるらしい理由として↓↓

 

・産次が進むとそれだけ様々な抗原にさらされるため抗体のレベルが高くなる。

・特に初産は、乳腺の発達が少なくIgGの乳腺への輸送能力が低下する可能性がある。

 

ただ、初産と二産は変わらなくて三産以上で高くなる、初産・二産・三産変わらず四産以上で高くなるという報告もある。

 

前回のブログで紹介した初乳Brix%のデータ(ホルスタイン種 n=170)を用いて産次でBrix%に違いがあるのか調べてみました↓↓

 

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産次ごとのBrix%↓↓ 

 

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五産以上の牛の頭数が少ないので四つの産次にまとめた↓↓ 

 

  平均 標準偏差 頭数
初産 24.3 3.17 53
二産 24.0 4.84 40
三産 25.2 4.79 30
四産以上 27.2 4.69 47

 

正規分布の確認→ヒストグラム確率密度関数↓↓ 

 

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視覚的には・・・あやしいのもある⁉

 

正規性の検定を行う→Shapiro-Wilk検定↓↓

  p値
初産 0.70
二産 0.09
三産 0.57
四産以上 0.22

 

検定の結果、すべて正規分布であることが棄却されませんでした。

 

等分散性の確認のためBartlett検定を行った↓↓

 

Bartlett's K-squared = 10.444, df = 3, p-value = 0.01514

 

等分散性を仮定することができなかった(p<0.05)→一元配置分散分析をWelchの方法で行った(すべての群の平均値が等しいかどうか)↓↓

 

F値 = 4.9254, 分子の自由度 = 3.000, 分母の自由度 = 79.706, p値 =0.003441

 

平均値に有意差が認められた(p<0.01)

 

どの群の平均が異なるかを知りたいので多重比較を行う→等分散でなかったのでGames-Howell法を用いた↓↓

※ググったらPMCMRplusというパッケージで出来るみたいですが僕には良くわかりませんでした。もう一回ググるとuserfriendlyscienceの使い方が乗っていたので今回は、これでやってみました。

 

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四産以上と初産の平均値の差は2.952で、p値は0.003(p<0.01)で有意差が認められた

四産以上と二産の平均値の差は3.206で、p値は0.013(p<0.05)で有意差が認められた

 

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この牧場は、未経産の飼養管理レベルが高い・初産分娩月齢にバラつきが少ない・分娩予定一ヶ月くらい前からMP高く(13000gくらい)調整しているのが初産のBrix%が安定している理由なのかも?単純に初産の初回乳量が他の産次に比べ少ないので濃度で見ると変わらなくなるのかな?今回は、初回乳量までは調べていませんが

 

※初乳IgG濃度は、産次だけでなく乾乳日数だとか季節とか初回乳量とか分娩から搾乳までの時間とか牛の体調とか・・・なども関係してくると思う、つまり今回の検定結果は背景が異なるデータを用いている

 



参考文献

 

www.yodosha.co.jp

 

 

https://www.journalofdairyscience.org/article/S0022-0302(08)71414-0/fulltext