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牛好きな曽根雅弘のブログ。ほとんど牛のおはなしです。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

初産分娩月齢②

今度は、初産分娩月齢が繁殖にどのように影響したかをモニターする事により牧場ごとの最適な初産分娩月齢を考えていこうと思います。 ↓↓3つの牧場の初産分娩月齢と繁殖成績 A牧場 A牧場 A牧場(初産妊娠率25%発情発見率80%) 初産分娩月齢=21カ月齢以下(n=15 …

初産分娩月齢①

初産分娩月齢が24ヶ月齢を超える経営的なメリットは少ないと思いますが、初産分娩月齢21~22ヶ月齢を安全に達成するには、初産分娩時体重のモニターが必要で、目標は成熟時体重の85%以上(最低でも83%)なので日本では牛が大きくなってきていることもあり最低で…

死亡リスクの高い月齢

図1、は独立行政法人家畜改良センターのデータから作成したものですが全頭数と月齢ごとの死亡頭数から死亡割合を計算してグラフにしたものです。 もちろん哺育期間が一番死亡割合が高いです。初産分娩・2産3産~と分娩前後に死亡割合が高くなっています。あと…

前産次の空胎日数

分娩後日数150日以上で受胎した牛の次産次の周産期疾病割合は150日未満の牛と比較して約3倍になると聞いたことがあります。(誰に聞いたのかどこに書いてあったのかは覚えていません) 今回は、前産次の空胎日数が今産次の繁殖にどのように影響したのか調べて…

マイコトキシン③

図1、のようにNDSでは粗飼料や穀物のマイコトキシンを分析したら結果を入れとけます。こんなにマイコトキシンに汚染されていたらたまったものではありませんが今回は適当に数値を入れてみました。(コーンS乾物32%で現物25K給与、ラップS乾物81.5%で現物3K給…

マイコトキシン②

図1と図2はAlltech社が北海道で2012年~2016年にかけてサイレージ中に含まれるマイコトキシンを分析したデータです。 図1はコーンSでサンプル数は62検体です。マイコトキシンが全く検出さてなかった検体は全体の僅か14.52%でしかなく平均で6.1種類のマイコト…

マイコトキシン①

マイコトキシン(カビ毒)とは、カビ(真菌)からの代謝産物のことで約300種類以上存在するらしい。図1では代表的なカビの種類とカビから産生される毒素(マイコトキシン)を示した。 図1、カビとマイコトキシン カビは10-40℃の温度域と4-8pHの環境を好み増殖する…

WSCとESC

糖というのは一般的に単糖類・少糖類(オリゴ糖)を指しますが飼料中の糖はWSCとESCの二つの方法が用いられています(CNCPSでいうCHO A4)。 WSC(水溶性炭水化物)=単糖類、二糖類、オリゴ糖類、フルクタン ESC(エタノール可溶性炭水化物)=単糖類、二糖類、オリゴ…

脂肪酸分析してみた

ご存知のように牛乳中には約3.5-4.0%の脂質が含まれています。脂質にはトリグリセリド(中性脂肪)、リン脂質、糖脂質、遊離脂肪酸など数種類存在し牛乳中の脂質は98%-99%がトリグリセリドです。 図1、トリグリセリド 図1で示したようにトリグリセリドは1分子…