マイコトキシン①
マイコトキシン(カビ毒)とは、カビ(真菌)からの代謝産物のことで約300種類以上存在するらしい。図1では代表的なカビの種類とカビから産生される毒素(マイコトキシン)を示した。
カビは10-40℃の温度域と4-8pHの環境を好み増殖するが、カビの有無は必ずしもマイコトキシンの産生を示すものではないようです。しかし、カビ自体はマイコトキシンの産生に関係なく、消化率の低下・乾物摂取量の低下・繁殖に有害になる可能性があるので注意が必要なようです(逆にカビは少なくても有害なマイコトキシンが存在することもあるそうなのでこの場合も注意が必要そうです)。
カビ自体も問題のようですが何と言ってもカビ毒の方が問題です。図2、では特に牛に影響すると考えられる代表的なマイコトキシンと牛での症状を示しました。
次に図3、では乳牛でのマイコトキシン摂取量のガイドラインを示しました。
カビは、発生およびマイコトキシンを産生するタイミングによって生育段階の作物を汚染する圃場菌グループと収穫物を貯蔵段階で汚染する貯蔵菌グループがあるようで例えばDONは圃場菌グループの代表でDONの含量とサイレージの発行品質に相関関係は認められなかったそうです。
予防策
圃場菌グループ→刈り残しを最小にする。抵抗性品種の選択。防除を行う。適期収穫等
貯蔵菌グループ→正しい方法で鎮圧・密閉を行う。サイレージの取り出しは正しい方法で行う。カビはこまめに捨てる!等
上記の予防策を行った上でさらにカビ吸着剤や毒素を無毒化する酵素などの添加を使ってみると良いと思います。