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牛好きな曽根雅弘のブログ。ほとんど牛のおはなしです。

WSCとESC

糖というのは一般的に単糖類・少糖類(オリゴ糖)を指しますが飼料中の糖はWSCとESCの二つの方法が用いられています(CNCPSでいうCHO A4)。

 

WSC(水溶性炭水化物)=単糖類、二糖類、オリゴ糖類、フルクタン

ESC(エタノール可溶性炭水化物)=単糖類、二糖類、オリゴ糖類、少量のフルクタン

 

フルクタンとは貯蔵性炭水化物のことで人や動物でいうグリコーゲンと同じような働きをします。グリコーゲンはグルコースからできているのに対しフルクタンはフルクトースから出来ています。WSCとESCどちらを用いても良いかもしれませんがWSCは反芻動物の消化に関連するすべての糖を含んでいます。

 

ちなみに馬さんはフルクタンを大量に摂取すると蹄葉炎などの代謝障害を引き起こす危険性があるそうです。

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図1、WSCとESC

図1→Cell Contents=細胞内容物、Cell Wall=細胞壁構成物質

 

牧草の糖含量が高いと嗜好性や消化性が向上するようです。また、糖はサイレージ調整の際に乳酸発酵の基質となるためサイレージの発行品質と密接に関連しているみたいです。そのため糖含量の高い品種や刈り取り方法の研究がされています。

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図2、グラスS

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図3、ビートパルプ

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図4、スクロース(砂糖)