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牛好きな曽根雅弘のブログ。ほとんど牛のおはなしです。

搾乳ロボットに適した牛①

搾乳ロボットに適した牛への改良は何が大切か問題

 

ロボットに入りづらくなりそうだし、フットワーク軽めだとロボットへのアクセス回数も増えそうなので中型の牛というのは共通だと思う・・・

 

DPRやPLももちろん大事だと思うが、搾乳ロボットで最も生産寿命に関係するのは乳頭配置や乳房底面だろうなおそらく。後は、蹄や作業効率に関わるとこかな

 

↓↓DeLavalのVMS装着可能域

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出典:DeLaval資料

↓↓ロボットにあった精液選定の指標にRobot ReadyやRobot Max等ありますが、どのような形質や基準で選択されているのか気になったので調べてみました。下の表はRobot Readyの構成です。これを見ると形質の優先順位が必要なのでは無いだろうか?数値の範囲が広くないか?などの疑問点が浮かびました。Robot Ready や Robot Maxを参考にしつつも精液ごとにもう少し細かく見る必要があるなと個人的には感じています。

 

産次が進んでくると乳頭配置や乳房底面も変わってくるということもあるので難しいところですよね。

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Robot Readyの構成 データ出典:Semex資料

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Robot Ready 出典:Semex資料

 

ある獣医さんの顧客は、未経産全頭をゲノムにかけ乳頭配置の良い牛をセレクト→SOV or OPU→ガンガン移植でほぼ乳頭配置が良いであろう(あくまでゲノム結果)牛で新築ロボットを迎えた結果かなり好スタートが切れたらしい・・・

 

もちろんあくまでも一例なので全ての牧場で上手く行くかはわかりませんが、参考になる例だと思います。

男女比

生命~とか生物~とか良くわからないのでざっくりそれらしいのをまとめてみました(適当で申し訳ございません)

たしか帯広畜産大学の学生は女性の方が多くなったらしいけど確かに生き物系は女性割合が高い!

 

↓e-Statからデータをもらいました

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学部別
農学部 17946 13745
生物資源科学部 4780 3866
獣医学部 2376 3110
応用生物科学部 1645 2161
農食環境学 1498 932
畜産学部 536 628
農学生命科学 465 317
生物生命学部 432 339
動物看護学部 167 558
総合生命科学 253 243
生物生産学部 240 209
共同獣医学部 140 113
地域創成農学部 137 17
農学部 10 5

子牛のTHI(暑熱ストレス)

経産牛では暑熱ストレスを受けるTHIの臨界点(72-78)の研究報告は多くあるが子牛の暑熱ストレスに対するTHIの報告は少ないので研究してみたという論文(査読済み早期公開論文)↓↓

https://www.journalofdairyscience.org/article/S0022-0302(19)31112-9/fulltext

 

L.Kovácsらの研究(J.Dairy Sci,2019)では、子牛の福祉は、THIが78以上になると損なわれる可能性があり、THI88を超えると強いストレスをうける可能性があると報告しています。

 

離乳前のホルスタイン種牛(n=16、AGE:46.7±1.8日、日齢範囲:44-49 日、体重:74.3±1.6kg、体重範囲:70.3-78.6kg)

期間:2016年8月15日~8月20日(最初の24時間は馴らしで4日間記録)

THIはハッチ周辺を観測

呼吸数、直腸温度、耳の温度、心拍数、唾液中コルチゾール濃度の5つを評価

 

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図:1

図:1は、セグメント回帰を用いてブレークポイントを求めている。P値は、二つの回帰直線に有意な傾きの変化が認められるかどうか(Davies検定)

 

季節外れの話で大変申し訳ありませんでした。今の時期は、子牛の寒冷ストレスの話題をしなくてはいけませんよね・・・


ちなみに子牛の寒冷ストレスの指標にもTHIは使われるらしく、生後3ヶ月間の平均THIが60以下だと日増体重に影響し、日平均THIが45を下回ると疾病の危険性が増すそうです↓↓

https://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/nosei/chikusan/chikusan_shiken/biotech/c-thimeter.pdf

 

 

大学卒業者分野別比率(1999-2014)

 農学部がにわかに人気らしい

 

今後あつい業界の一つが農業だと思うので若い人が興味を持ってくれることはとても良いことですな

 

↓↓分野別で比率を見てみた(資料:GLOBAL NOTE 出典:UNESCO より作成)

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↓↓まぁーそれでも農学系はまだまだレア(資料:GLOBAL NOTE 出典:UNESCO より作成)

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まぁ僕は理系では勿論ないし、かと言って文系かといわれたらそんな能力はない感じ、一応昔はスポーツしていたので今ではすっかり体力の無くなった体育会系というとこかな?若い人は優秀な人が多いので勉強せねば・・・


↓↓データ解説(資料:GLOBAL NOTE 出典:UNESCO)

・大学卒業者の分野別比率

・単位は%

・大学はUNESCOの定義する ISCED2011のLEVEL5-8で、大学相当の全ての高等教育機関が含まれる(日本での四年制大学・大学院、短期大学などに相当)

・大学卒業者分野別比率(自然科学分野)

 - 自然科学分野の大学卒業者数

 - 自然科学分野の分類はISCED-2011のScience項目で生命科学、生物学、物理学、地学、数学、コンピューター科学などを含む

・大学卒業者分野別比率(工学・建築分野)

 - 工学・建築分野の大学卒業者数

 - 工学・建築分野の分類はISCED-2011のEngineering, manufacturing and construction項目で工学、設計、製造、電子、電気、建築などを含む

・大学卒業者分野別比率(農学分野)

 - 農学分野の大学卒業者数

 - 農学分野の分類はISCED-2011のAgriculture項目で農業、畜産、林業水産業、獣医分野などを含む

・大学卒業者分野別比率(医療・福祉分野)

 - 医療・健康・福祉分野の大学卒業者数

 - 医療・健康・福祉分野の分類はISCED-2011のHealth and welfare項目で

  医学、薬学、歯科、看護、ソーシャルサービスなどを含む

・大学卒業者分野別比率(経済・法務・社会科学分野)

 - 経済・法務・社会科学分野の大学卒業者数

 - 経済・法務・社会科学分野の分類はISCED-2011のSocial sciences, business and law項目で経済学、政治学、心理学、法学、ジャーナリズム、ビジネスマネジメントなどを含む

・大学卒業者分野別比率(教育分野)

 - 教育分野の大学卒業者数

 - 教育分野の分類はISCED-2011のEducation項目で幼児教育、小学校教育、普通科教育、職業訓練、社会人教育、障害者教育、教育科学などを含む

・大学卒業者分野別比率(サービス分野)

 - サービス分野の大学卒業者数

 - サービス分野の分類はISCED-2011のServices項目で個人向けサービス(ホテル、旅行、美容など)、輸送サービス(船員、航海学、航空パイロット、鉄道員など)、警備・治安(警察・軍など)を含む

・大学卒業者分野別比率(人文・芸術分野)

 - 人文・芸術分野の大学卒業者数

 - 人文・芸術分野の分類はISCED-2011のHumanities and arts項目で史学、哲学、言語学、語学、神学、宗教、美術、音楽、映像などを含む

膣および直腸の温度の分娩前変化

分娩前から膣温度と直腸温度を計測し分娩予測を行った試験→Journal of Dairy Science ,Volume 94, Issue 10, Pages 5053–5061(2011)

 

↓↓膣温度はこれをシダーに取り付けて計測

vemco.com

 直腸温度は1日2回計測

 

材料

実験1:初産 n=33頭

実験2:産次(3.0±1.4) n=30頭

実験3:産次(3.2±1.7) n=25頭

 

図1:分娩日の膣温度は、24時間前より0.2~0.3℃、48時間前より0.6~0.7℃低かった。

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図1:膣温度

 

図2:分娩日の直腸温度は、24時間前より0.3~0.5℃、48時間前より0.4~0.6℃低かった。

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図2:直腸温度

 

図3:膣温度が0.3℃以上低下すると、24時間以内に分娩が予測された。

感度:62~71%、特異度:81~87%

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図3:膣温度

 

図4:AM7:30で測定された直腸温度が0.3℃以上低下すると、24時間以内に分娩が予測された。

感度:44~69%、特異度:86~88%

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図4:直腸温度

図3図4:膣温度または直腸温度が0.2~0.3℃低下後24時間以内に分娩する正確度が最も高かった。

 

感度:疾患を持っている人の検査陽性の割合(24時間以内に出産し、体温が低下した牛の割合)

特異度:疾患を持っていない人の検査陰性の割合( 24時間以内に出産せず、体温の低下を示さなかった牛の割合)

陽性的中率:陽性が出た人の中で疾患ありの割合(体温の低下を示し、24時間以内に分娩した牛の割合)

陰性的中率:陰性が出た人の中で疾患なしの割合(体温の低下を示さず、24時間以内に出産しなかった牛の割合)

AUC:ROC曲線の下の面積、0~1で評価される。1:最適、0.5:全く相関無し、0:負の相関

 

 

従来は、直腸温度を1日2回測ったり、5mm以上仙骨靭帯が落ち込んだら!とか牛の行動・頸管の開き具合などで総合的に判断していたのですが、LiveCareさん等のように継続的に牛の体温を測る製品もあるようなので確立出来たら分娩予測も楽になるのかもしれませんね。