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牛好きな曽根雅弘のブログ。ほとんど牛のおはなしです。

Wellnessのはなし②

Zoetis社のWellnessのことをWellness Trait Dollars(WT$)というみたいですね。CDCBのWellness(HTH$)と違うところは、低カルシウム血症の項目がない代わりに跛行の項目があります(乳房炎・跛行・子宮炎・ケトーシス・後産停滞・四変の6項目)

Standardized transmitting abilities(STA)繁殖育種価指数で表示され、100を平均として85-115まで変動します。

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WT$

↑↑Mastitis=乳房炎、Lameness=跛行、Metritis=子宮炎、Retained Placenta=後産停滞、Displaced Abomasum=四変、Ketosis=ケトーシス

wellness-trait-technical-bulletin_final_022316.pdf

 

6つの項目それぞれの評価をSTAで表記するのとは別にWT$で総合的にも評価するみたいですね。WT$の項目ごとの重み分けです↓↓

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WT$:相対的価値(%)

selection-index-fact-sheet_web_final_021116.pdf

う~ん分かってきたような分らんような・・・

Wellnessのはなし①

my.selectsires.com

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大好きなスーパーサイヤーさんのウェルネス

一年位前からWellnessという項目が加わっていたしかもCDCBとZoetisのWellnessがあるらしい、わかりづらいなぁー。まずCDCBのWellnessから調べてみました。

CDCB(アメリカの乳牛育種委員会)のWellness(健康形質)→HTH$は、低カルシウム血症・四変・ケトーシス・乳房炎・子宮炎・後産停滞の6つの項目で構成されていて品種の平均以上・以下を数字で表示し、通常0を平均値として±3まで変動するみたいです。

各項目の遺伝率↓↓

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CDCBの6つの項目の遺伝率

ほぼ飼養管理だと思うし遺伝率はやはり低め⁉

遺伝の健康面で言うとDPRやPL(これまた新しく加わったLIVとの違いに関してはまた今度・・・)で十分なのでわ?と感じてしまいます。こんなに沢山チェックする箇所が増えると頭がこんがらがる↓↓

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CDCBのWellnessとDPRやPLとの相関関係(数字は相関係数)

やはりDPRやPLと密接な関係が!なんか今まで通りDPRやPLの低い牛を出来るだけ使わないというだけでも十分なような?もう少し調べてみます。

月間妊娠目標頭数を簡単に計算してくれるアプリ“HerdCalc”

月ごとの妊娠目標頭数を計算しておくことはとても大切ですよね!

こんな感じ↓↓

経産牛頭数÷分娩間隔÷妊娠喪失率×更新率=月間妊娠目標頭数(経産牛)

※妊娠喪失率→妊娠喪失頭数(流産・胚死滅)÷妊娠頭数×100

月間妊娠目標頭数×12=年間妊娠目標頭数

年間目標頭数÷26=2週間間隔で行われる繁殖検診ごとに期待される目標妊娠頭数

ちなみに月間目標授精頭数の計算方法は↓↓

月間妊娠目標頭数÷受胎率=月間目標授精頭数(経産牛)

あるお客さんの状況をこの計算式に当てはめてみると↓↓

145(経産牛頭数)÷12.5(分娩間隔)÷0.9(妊娠喪失率を10%で計算)÷0.7(経産牛の更新率を30%で計算)=9頭(月間妊娠目標頭数)

なので経産牛で毎月9頭新規の妊娠牛が目標となります。2週間おきの繁殖検診であれば一回の検診で4~5頭のプラスの牛(経産牛)がいればOKということですね

ちなみに月間目標授精頭数だと↓↓

9頭(月間妊娠目標頭数)×0.4(受胎率)=22.5頭(月間目標授精頭数)

なので経産牛に毎月22~23頭授精出来たらOK!!ということになりますね。でも計算式忘れそうだしとてもめんどくさいと感じてしまいます。なんかよい方法はないかなと考えていたらたまたま良さげなアプリを発見しました。↓↓

※英語だけど使い方はとても簡単です。責任はもちませんが上記の計算方法と比較してもだいたい同じ結果になりました。

https://itunes.apple.com/jp/app/pridplanner/id967203351?mt=8

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Herd Calc

 

 

搾乳ロボット牛舎のゲート改善②

せっかくなので乳量・ゲート通過回数・搾乳回数をVMS1(ゲートを3ヶ所に増やした)とVMS2(ゲートが2ヶ所のまま)で比較してみた。

※デラバルロボット用のソフトからゲート通過回数や搾乳回数・乳量などのデータを引っ張ってきたが一週間しかデータの蓄積がされないため、あくまでも一週間のデータで解析した結果です

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乳量の差をVMS1とVMS2で比較

↑中央値・平均値ではVMS1の方が多かったもののMann-Whithey U検定のP値は0.642でした。う~ん

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ゲート通過回数の差をVMS1とVMS2で比較

↑平均値ではVMS1の方が多かったものの中央値はともに8.71。Mann-Whithey U検定のP値は0.169でした。う~ん

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搾乳回数の差をVMS1とVMS2で比較

↑中央値・平均値ともにVMS1の方が多くMann-Whithey U検定のP値も0.002と有意差があるようです。

 

搾乳ロボット牛舎のゲート改善①

お客さんのロボット牛舎を改造してゲートを一箇所増やしたときのお話です。

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デラバルフィードファーストのロボット牛舎

↑2箇所しかなかったゲートを一つ増やした。

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改善前のゲート通過回数(VMS1とVMS2の一週間の平均)

たまにグルグル回って遊んでいる牛がいるもののゲート通過回数=飼槽へのアクセス回数になるので最低でも9回はほしいところ・・・

とういうことでゲートをもう一つ増やしてみた結果

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VMS1のみゲートを増やしてみた。

VMS1のみゲートを増やしたのでVMS2と比較してみた。もちろん産次構成やDIMなど様々なバイアスがかかってしまうので一概に比較はできませんがたまたま産次の構成は同じくらいです。

一週間のデータではあるものの平均で乳量・ゲート通過回数ともにVMS1の方が多くなりました。