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牛好きな曽根雅弘のブログ。ほとんど牛のおはなしです。

PL(生産寿命)とLIV(生存能力)

LIV(生産寿命)はCDCBから2016年8月から新たに加わった項目ですがPL(生産寿命)との違いがいまいち分からなかったので調べてみました。

 

まず、PL(生産寿命)ですが牛が牛群に留まると予測される期間(淘汰されるか死亡するまで)のことで数値+1ごとに1ヵ月長く牛群に留まります。しかし、PLには淘汰が含まれており例えば和牛ET・F1やはらみ等により個体販売が見込める状況では低生産気味の牛でももう一産狙いたいでしょうし、リーピート牛も粘ってみると思います。逆に個体販売が見込めないのであれば限られたスペースで最大限の利益を出したいので生産力の高い牛を常に搾っておきたい、そのため淘汰基準も厳しめになりある程度更新率は高くなる傾向にあると思います。このようにPL(生産寿命)は経営判断に左右されやすいのではないかと思います。

 

次にLIV(生存能力)ですが牛が牛群にいる間生き続ける能力の予測ということです。牛が市場や肉として売られると(自主的な淘汰)その分売上げ収入は経営者に返されますが牛が疾病などにより死亡してしまうと収入は0です。生存能力がプラスの牛は、より自発的な淘汰が可能であるため、個体販売額が増えます。

 LIV(生存能力)は、PL(生産寿命)を構成する一つの形質なので強い相関関数にあります。

 

もう少しLIVについて具体的に見ていきましょう↓↓


牛の17%がお金にかわることなく牛群から出ていくそうです。ということは83%が何らかの形で販売されるまで牛群に生存しています。(米国)

 

♂AのLIV(生存能力)が2.0の場合、約85%(83%+ 2.0%)が何らかの形で販売出来るためお金へと変わります。
♂BのLIV(生存能力)が–3.0であれば、約80%(83% - 3.0%)となり♂Aより何らかの形で販売に回る前に死亡してしまう牛が5%増えると予測します。

つまりLIV+1ごとに1%増えるという事ですね。

 

※まとめ 

PL(生産寿命)の場合は経営戦略に影響されやすく淘汰基準を厳しく設定している牧場では短くなるしそうでない牧場では長くなるためバイアスがかかってしまします。LIV(生存能力)の数値が+であるほど疾病などの理由で死亡しお金に変わらいない廃用が減り、肉としての売却や市場での販売額が増えることを表しており淘汰基準に左右されづらいという事だと思います。