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牛好きな曽根雅弘のブログ。ほとんど牛のおはなしです。

発酵性炭水化物②

ルーメンでの発酵スピードは穀物によって違います。小麦→大麦→エンバク→トウモロコシ→ソルガムの順で発酵スピードが遅くなります。また、同じトウモロコシでも蒸気圧ペン・粉砕コーンなど加工方法によっても違ってきます。さらに粉砕コーンにもFine(微粉砕)~Cracked(荒い粉砕)というように粒の細かい物から荒いものまでありそれによっても発酵スピードが変わってきます。図1では微粉砕コーンと荒い粉砕コーンのルーメン消化率の違いをイメージ出来るようにしてみました。

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図1微粉砕コーンと荒い粉砕コーン

 NDSを使ってAのTMRとBのTMRを作ってみました。AもBも粗飼料・濃厚飼料全く同じ原料を使っています。図2はTMRのメニューです。

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図2、TMRのメニューAもBも同じメニュー

↑このように原料は同じ二つのTMRを用意しました。ただしCorn Ground Steam Rolled 34 ld の7時間培養でのデンプン消化率だけを変えました。図3で示したようにAのTMRは46(%Starch)BのTMRは67(%Starch)です。

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図3、AのTMRでは7時間培養デンプン消化率46(%Starch)の圧ペンを使用。BのTMRでは7時間培養デンプン消化率67(%Starch)の圧ペンを使用

 ↑どちらのTMRも乾物当たりのデンプンは27.4258%と一緒なのですがルーメンでの発酵性デンプンがAで18%、Bで20.11%と差が出ました。また、ルーメンでの発酵性が増すことによりRDPに影響が出たりMPやMEの充足率にも違いが出ました。

 

圧ペントウモロコシのデンプン消化率は製品によって異なるので少しでも良い物を使う事はパフォーマンスの改善につながりそうですね。